大っ嫌いなアイツに恋をした。




振り返ると、橘がボールを脇に抱えて立っていた。


橘はあたしの隣まで歩いて来る。


そして、スリーポイントからボールを放ちそのボールは綺麗に弧を描いてリングの中に吸い込まれていった。



「もっと力抜け。お前力み過ぎ。そりゃリングにばんばん当たるわけだ」


そう、いつものように橘は笑った。


何気もないそんなことがあたしには嬉しくて橘の顔をただ見つめていた。


笑った……よかった……


あたしは力なくその場に座り込んだ。



「…お、おい!大丈夫か!?」


心配そうに駆け寄って来る橘。


その心配そうな顔が何だか可笑しくて笑ってしまった。


「は?おまっ、何笑ってんの。バカにしてんのか!?」


「ううん。違うよ…ちょっと安心して…」


橘はあたしの手を引いて立ち上がらせた。