「怪我は?痛いとこは?」
「…大丈夫だよ。橘くんは…」
顔をあげようとしたけど、許してくれず胸の中。
香水だろうか何なのかわからないけど、優しい匂いがあたしの心を落ち着かせた。
だけど、橘くんが助けてくれなかったらと考えると背筋が冷たくなった。
本がバラバラに落ちて、相当古かったのか棚はボロボロに潰れている。
どうなってたか、想像してしまいうと怖くなった。
怖くなって、涙が少し滲む。
そんなあたしに気づいた橘くんはゆっくりと起き上がり、正面からあたしを抱きしめてきた。
その腕が痛いほど優しくてまた、泣いてしまった。
暫くして、音に気付いたらしい用務員さんが駆けつけてくれた。
橘くんは、職員室に。
あたしは保健室に連れていかれた。
「アンタは保健室行って。俺はテキトーに話つけてくるわ」
そのあと、橘くんはこっぴどく怒られ
あたしが本棚を壊した事を彼は先生に言わなかった。
あたしは真実を話そうとしたけど橘くんは俺が悪いと言って聞かなかった。

