大っ嫌いなアイツに恋をした。




いつもは、バカみたいに調子良くて、嫌味ったらしくてイジワルなのに。


何やら切なげなその瞳。


あたしはなぜか何も言えないまま立ち尽くした。



「……俺のことは、どう思ってる…?」



どうして…?

どうして、今この場所でそんなこと聞くの?



どう思ってる…ってそんなの一つしかないじゃん。




嫌いだよ。


橘なんか大っ嫌いだよ。



そう思ってるのに、口に出せない。

どうしてか、胸が苦しい。



そんなあたしを見て、橘はあたしの気持ちを悟ったようだ。



「わり、忘れて」



そう言って橘がソファーから立ち上がったとき、入口だけ付けていた資料室の電気が消えた。