すると、部屋の窓側にはベット。

廊下側の壁には、勉強できるデスクが置いてあった。




「早く届いて良かったな。これで俺のベットで寝ないで済むな…ソファーにも」




空翔さんが、私の部屋に入って来る。





「ハハ…そうですね。この2つ、ありがとうございました。本当に感謝してます」

「堅苦しいな、お前。昭和か」

「………平成生まれですっ!」

「ハハハ」


笑いながら、届いたばかりのベットに座る空翔さん。




「つーか、業者が勝手にこの位置に置いたみたいだけど…この位置でいいの?変えたいなら俺が…」

「これでいいですっ、全然問題ないですよ!」


仕事で疲れてるのに、そんなことやらせられないよ…

それに、本当にこの位置で大丈夫だし。





「ふーん。デスクに置く物は?置くの手伝おうか?」

「あ、大丈夫です。置くものは、教科書とか…学校で使うものだけ………え、」

「あ?」



教科書…


学校…












「あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っっつつつ!」

「ど、どうした!?」


私はその場で、思いっきり叫んだ。


すっかり忘れていたことを、たった今思い出したからだ…それは…






「が、学校っ!学校どうしようっっ」

「は?学校?」


忘れてた…

完全に忘れてたよ!





「私…明日から学校なのっっっ!」

「・・・・・」


私がそう言うと…空翔さんは無表情になったが、その顔は少し焦っているように見えた…





「…俺も忘れてた」

「・・・・・」




部屋には、異様な空気が流れた…












「…はい、ええ…はい・・・」


楓雅さんが、声質を太く変えながら…電話で話す。