一途な彼は俺様モンスター

私がそう言うと、空翔さんは口を少し尖らせる。



「それより…今日の夕飯、何か食べたいものありますか?」

「!…夕飯?」

「はい!今日は、空翔さんの好きなものを作ろうかなって思って…お世話になったから、お礼も兼ねて…」


私には、今はこんなことしかできないけど…




「…かわいいこと言うね」

「えっ…」


か、かわ…?!




「じゃ、スーパー寄って帰ろうぜ。メニューは、歩きながら考える」




空翔さんはそう言ってニコッと笑い、伝票を持ってレジに行った。



その笑顔は、かっこいいというよりも…ちょっと可愛かったかも…

今の笑顔に、ドキッとしちゃったし…





「浅海ー行くぞー」

「は、はい!」


ぼーっとしていたら、レジにいる空翔さんに呼ばれてしまった。

私は荷物を持って、席を立つ。



「あんなイケメン兄に、名前呼ばれたーいー!」

「『行くぞー』とか言われたいっ」


あちこちの席から、そんな声が聞こえてきた。



だから、妹じゃないってばっ!!!