一途な彼は俺様モンスター

「そういうことだ」

「そ、そんなこと…悪いですよっ」


隣にいる空翔さんに、ブンブンと首を横に振る。




「違うの。ヴァンパイアのパートナーになった人間は、そのヴァンパイアから報酬をもらえることになってるのよ」

「へ?そうなんですか?」

「そうよ。いくら少量の血を与えるっていっても、自分の体の一部を分け与えるわけだから、私たちは報酬を受け取れるくらいの価値はあるってこと。私は、こうやって楓雅に食べさせてもらいながら、自分で仕事もしてるから結構金持ちよ♡」


ウフフと笑う真由子さんの隣で、楓雅さんは呆れた表情をした。




「…本当にそうなんですか?」


空翔さんに、確認をいれる私。




「ああ、本当だ。お前は俺が食わしていくから、心配すんな」

「…っ!」


旦那さんが奥さんに言うようなセリフを言われ、恥ずかしいのを必死に隠す私。




「ってゆうか、ここ空翔の家だし、私たち3人を既に食わしてもらってるんだから、1人増えたってどってことないよね(笑)」




「まあな。空翔つーより、ヴァンパイア自体が金持ってるから、俺らも暮らしていけるだけなんだけど…」


楓雅さんが、ポリポリと頭をかく。




「それって…?」

「俺らの先祖たちから受け継いだ、莫大な財産があって、俺達はその財産を受け継ぎながら、人間界で暮らしてるってことだ」


!?


莫大な財産??