一途な彼は俺様モンスター




強力な力……




「たとえ弱いモンスターでも、浅海ちゃんの血を飲めば、その力は血を飲んだ分だけ増すのよ。あなたの兄を偽っていたあのモンスターも、浅海ちゃんのその血を独り占めして、力を得ていた…」

「っ!」


私のこの血の力を、改めて知ると…

お兄ちゃんが私に、あれだけのことをしてくれていたことも理解できた。

私の体をよく気遣ってくれたし、心配性だったのも、私の血のことを心配してたってこと…?




「…私が浅海ちゃんの血のことで知ってるのは、ここまでよ。少し前にね、空翔から浅海ちゃんがパートナーだって聞かされてから、浅海ちゃんのことを密かに調べたの。空翔が、浅海ちゃんの血液をこっそり採取したりね…(笑)」

「え!?空翔さん、随分前から私に接触してたの!?」


全然気付かなかった。




「そうよ。どんなふうに接触してたかは、私も詳しく知らないけど…あいつらモンスターだからね……人間に気づかれないで行動するくらいは、余裕でしょ」

「…そうだよね」


空翔さん、人間じゃなかったんだっけ…(汗)

見た目は人間にしか見えないから、どうもヴァンパイアだってこと忘れちゃうな。

バネちゃんは、羽生えてるし、牙もあるし、目も青いからモンスターだってこと忘れないけど。