一途な彼は俺様モンスター

そのページには、女の人がモンスターのようなものに、腕を差し出しているような絵が描いてあった。




「これはね、自分の血をモンスターに与えている絵なの。この絵の女の人は、自分の血液をモンスターに与えることが仕事。この人は実在した人物…」

「え?」


血を与えるのが仕事…




「この女の人の血にはね…特別な力があった。その血を傷口に塗れば傷は消え、重い病を抱えた人に飲ませれば、病気は治った。無敵の血液ね」

「す、すごい…」

「その血液を…浅海ちゃんも持っているのよ」

「へ?」



私が!?





「浅海ちゃんはね、その特別な血液を持つ古い種族なのよ。昔から、その種族の人たちは…自分たちの血を売って、生計を立てていたらしいわ。それくらい、その無敵の血を誰もが欲しがったのよ」


真由子さんは続ける。




「浅海ちゃんの血は、人間にはケガや病気にしか効かないんだけど…モンスターにはね、その血を飲むとそれ以外にも効果があるの…」

「…それ以外って?」


真由子さんは一瞬私から目をそらしたあと、すぐに真っ直ぐに見つめて言った。





「その血を飲むと…そのモンスターは、強力な力を得ることができるのよ」