一途な彼は俺様モンスター

男の人は冷蔵庫から出した、ミネラルウォーターを私に差し出した。

それを見て、お兄ちゃんのことを思い出す。



「あの…昨日言ってたことって……本当なんですか…?」


私がそう言うと、男の人はまた顔を曇らせた。




「……本当だ」

「・・・・」


男の人の表情からして、嘘をついているようには見えない。

でも、まだ信じられない自分がいる…

あんなに優しいお兄ちゃんだったから…

私をだまして操っていたなんて、とても考えられないから…




「お前が、信じられないのも無理はない。今も記憶をすり替えられて、元の記憶を取り戻してないからだ」

「…元の…記憶…?」

「そうだ。お前は…特別なエナジーを持つ種族の、生き残りなんだよ」



!!!


特別なエナジーって……




「これを話すには、まず俺の話をしなくちゃならない……実は、俺も人間じゃない。モンスターなんだ…」




昨日空を飛んでたし、人間じゃないことはなんとなくわかってたけど…




「俺は吸血鬼の生き残り…つまりヴァンパイアだな」




「ヴァンパイア!?」


って、あの人の血を吸うやつ???

外国のオバケでしょ!?




「知っての通り、俺たちヴァンパイアは血を好む…」

「え゛………(汗)」

「おい。『血を好む』って言っただけで、俺に殺されそうな顔すんなよな」

「あ、す、すいません…」