一途な彼は俺様モンスター

そして…




ガッシャーーーン……


バリバリバリバリ…




っ!!!


家の窓ガラスが、一斉に割れた。

まるでアクション映画で観る映像…





「お、お兄ちゃんっ……」


空から、家に向かって叫ぶ。

すると…




「………ぁ…」


家の中から、さっきの男の人が飛びながら、私とコウモリのいるところにやって来る。

男には、黒くて大きな翼が生えていた。





「空翔様、どうでした?」


その男に尋ねるコウモリ。





「追い詰めたけど逃げられた…逃げ足の早い奴……」


逃げられたって…?




「やはりそうでしたか…」

「ああ。やっぱりそれなりに力を蓄えてやがった。まあ、あの血があれば当然のことだ。でも、かなりのダメージを負ったのは確か…しばらくは、動けねえよ」

「さすが空翔様ですネ!」

「あのっ………」


私は、男の人とコウモリの話しに割って入った。






「お兄ちゃんは…どこ?」


私がそう言うと、男の表情は一瞬曇る。




「バネ。下に降りるぞ」

「…ハイ」


コウモリはゆっくりと下に降りていき、地面に着くと、私から羽をそっと離した。