一途な彼は俺様モンスター

部屋を出ると、そのバネという男の子が私を廊下の端にそっとおろしてくれる。



「…う、うん……あなたは…何者なの?」

「ボクはコウモリで、空翔様の助手をしていマス!ボクのことは『バネ』と呼んでくださいネ」

「コ、コウモリ!?コウモリって、話せるの!!?」

「ただのコウモリではありません。コウモリのモンスターです」


モモモ、モンスター????



非現実的過ぎて、全然頭に入ってこない。




「あなたを助けるために、ボクは空翔様とここにやって来ました」

「助ける…為?」

「そうです!あの凶暴なモンス……」



ガッシャーーーーン………!!!!




っ!


食料庫から、ものすごい音が聞こえてきた。



「ここはマズイ!さ、早く外へ逃げましょう!」

「どうしたの!?まだお兄ちゃんが中に……」

「あれはお兄ちゃんなんかじゃない!凶悪なモンスターだ」

「え……っ」


また羽を伸ばして、私を包み込むと、そのコウモリの子供は、勢い良く飛び上がり、そのまま窓から外に出た。


外に出ると、コウモリは私を抱えて、家の真上まで上昇する。