一途な彼は俺様モンスター

正直いって妖力が少し弱っている。力を使い過ぎたからだ…

でも、これで決めよう…


次は紙神の心臓を狙う…






シュッ…



俺は風のように走り、後ろから回り込んで紙神に近づいた。紙神は俺を目で追いながら、キョロキョロとしている…

紙神の心臓部分に目をつけ、背中から距離を測り腕を大きく振るった。


いくら回復ができても、スピードは俺の方が上…

もう終わりだ紙神…










ボーーーーーーーーーー…!!!!





「なに!?」


すると突然紙神の体が燃え始め、今にも爆発するような音を出す。



し、しまった…


とっさに手を引き、そこから離れようとしたが…





ドッカーーーーーーン!!!!




「うっ………」


紙神の出した炎と俺の手から放っていた稲妻が合わさり、爆発が起こってしまう…俺は紙神から少し離れたところに飛ばされ、地面に叩きつけられた。



くそ…油断した…


体の所々に火傷を負い、煙も吸い込んだ…


妖力で回復しようとしても、さっきの稲妻を使ったせいでもうその力もなくなっていた。






「予想してなかった…ってところか?」

「っ!」


すると煙の中から紙神が現れ、俺にゆっくりと近づいてきた。





「驚いているな…無理もない。俺にあれほどの力があるなんて知らなかったからか?」

「…あれは・・・」

「簡単なこと。浅海の血を飲み…すぐに体から火を出しただけのこと。俺は元々ほんの少量だが火を操れる…浅海の血のおかけげで、その力を最大限に出せたというわけだ」


こいつ…いつの間に浅海の血を飲んだのか?もしかして、俺が後ろに回り込んだときに?

一体、どれくらいの浅海の血を隠し持ってやがる…






「げほっ…」


苦しくて咳をすると、口から血が出てきた。





「苦しそうだな…でもその苦しみもすぐ終わる…」

「なに言っ…」





グサッっっっっ