一途な彼は俺様モンスター

そうだったっけ…?


そのお兄ちゃんだという男の人は、部屋に入ってきてドアを静かに閉めると、私の寝ているベットの横にある椅子に座った。

部屋をよく見てみると、広々としていて一人部屋とは思えない広さ。部屋の西側には大きな出窓があり、白いレースのカーテンがつけてある。

出窓の近くの角側には、高級感のある勉強机、その隣には本棚があり、きれいに本が並べられている。


そして部屋の中央には、天蓋付きのベットがあり、私はそこに寝ていたのだ。





ここ…私の部屋?

私の部屋って、こんな感じだっけ…?






「何か飲む?お前紅茶好きだろ…?」

「え…」


…そうだっけ?





「キッチンで入れてきてやるよ。ちょっと待っててね」

「お、おにい…ちゃん?」

「ん?」


部屋を出ていこうとするお兄ちゃんという男の人を、引き止める。




「…私のおにいちゃん…だよね?」

「何言ってんだよ、お兄ちゃんだろ。俺たちは親がいないから、ずっと兄妹二人でいきてきただろ?」

「え…」



そう…だっけ?






「さぁ、横になってなさい。今紅茶持ってくるからな」

「…うん」


お兄ちゃんという人は、そう言って部屋から出て行った。

部屋には私ひとりだけになる。



記憶をたどってみると……

あのお兄ちゃんだという人が、自分の兄だということがわかる。


生まれたときから親はいなくて、両親2人
の顔は知らない。

あの人が言うように、ずっと2人で生きてきたんだ…



そうだよね…

私は…そうなんだ……





私は子供ながらにして、無理矢理納得した。


不思議な日だったことは覚えてる。

まるで…新しい日が始まったようだった…






でも違う。








これは…私の人生じゃない!












「……………!」