夕飯は一緒に作った。 食事をしながら 美咲は一斗に聞いてみた。 「一斗はミートソースが好きなの?」 「うん……おふくろの味なんだ」 一斗のフォークが一瞬止まり美咲は、それに気付いた。 「そっか…」 美咲は一斗の顔を眺めたあと視線を落とした。 「あんまり、しんみりするなよ、美咲ん家は何?」 「ハンバーグとか餃子かな…」 「…普通はわかんねーけど、肉じゃがとかだよな」 「そうかもね」 「…」 「…」 少しの沈黙が続いた。