私は軽く涙を拭いて病室に入った。 「かっこよかったよ……圭ちゃん。 かっこ悪くなんてなかった…よ」 「愛………聞いてたのか?」 「うん…ごめんね。聞くつもりはなかったんだけど…… わ、私帰るね…」 私は花瓶を元の位置に戻して カバンを持ち、 病室を飛び出した。 後ろから圭ちゃんとガク先輩が 私の名前を呼ぶのが聞こえた気がした。