そして、卒業式も終わり
私は、圭ちゃんを見送るために
駅へ圭ちゃんと向かった。



駅に着くなり名前を呼ばれた。



「…愛?」


「へ?あ、何?」


「また頑張って笑ってる」


「え、そんなことないよ…」


「ホントかな?」


そんな事を笑顔で言ってしまう圭ちゃんは
余裕があるように思えた。



そして駅員さんに
見送るだけと伝えてホームへ向かった。



「…愛、」


「何?」


「ありがとう」


「え?」


「俺、愛に沢山のこと教えてもらった。
華はみんなの胸の中に居るとか、
忘れてないからずっと華は居るとか。
笑ってるといいことあるとか。」



圭ちゃんは少し目に涙を浮かべながら
噛みしめて話してくれた。



「…時間を動かしてくれてありがとう」