気付いたら
新設の水族館に居た。
吸い寄せられるように曲がりくねった通路を進む。
その先にはイルカの水槽がある と、
直感して。
水槽の前に着いた時、
目に飛び込んできたのは…
石造のイルカだった。
何頭も何頭も何頭も…何頭も。
しかし彼らは石像ではない。
石化していたのだ…。
体は ところどころ ひび割れていた。
"どうして こうなってしまったのでしょうね?"
呆然と立ち尽くしていると、
ライターの女性が怪しげな光を目に宿して言った。
私は怖くなって…
走り出した。
長い長い水槽の中に…
数え切れない石のイルカが続く。
やっと抜け出した時、
そう、
次の水槽が何なのか確かめよう とした その時、
今度 私の目に飛び込んできたのは……

