「指輪の跡がいつもついてるぞ。
左手の薬指。

すげぇ独占欲だよな、呆れるわマジで。

多分、親父もふくめて
家族みんな気づいてるよ。」



「ええ?!」


驚いた私を見てお兄ちゃんが
クスクスと笑っている。



「モモ、蒼介のことは、
心配しなくて大丈夫だよ。

あいつ、バカみたいに
お前のことしか
考えられなくなってるから。」



そう言って優しく笑うと、

私の頭を撫でて、

お兄ちゃんは出かけて行った。