「あー、モモのこの
ふわふわの髪、

めちゃくちゃ癒される。」


そう言って、
私の髪に顔をうずめる蒼介さん。


そんな蒼介さんの胸のなかで、

ほーっと
深く甘い息を吐く。



こうして、ドキドキしながら
何度も抱きしめられているうちに、

いつか蒼介さんの胸が
居心地のいい場所に
なっていくのかな……


そんなことを思いながら
蒼介さんの腕のなかで
ふっと
怒っていたパパの顔を思い出して、

すこし暗い気持ちになった。



ドキドキしたり、

不安になったり、

申し訳ない気持ちになったり…


なんだか、


心が忙しいけれど、




でも、蒼介さんのことが、

一番大切なんだよ。




そう思って、蒼介さんを見上げると…




「で、お前のお母さん的にはなんて?」



「え? ママ?」



「あれ?

モモ、なんか顔、赤くなってないか?」



「赤くなってないよっ。

マ、ママは喜んでくれてたよ。

"パパなら大丈夫よ"って、励ましてくれた!
蒼介さんのこともすごく褒めてくれて…」



ニコニコと笑っていたママを
思い出す。


「ただ、少し暴走してたくらいで…」



「暴走?」



「な、なんでもないっ!」




さすがにベビー服買いに行ってるとは

言えないよ……