「あのね、蒼介さんだったから
反対したわけではないと思うの。

私が知らなかっただけで、

パパ、どうも昔から
あんな感じだったみたいで。

パパの方が冷静な判断、
できなくなってるんだと思う」



「ま、しょうがねぇよな。

それだけお前のことが可愛いって
ことなんだろうな。

ちゃんと、
佐伯先生に認めてもらえるように
頑張るよ」



私を安心させるように
優しく笑ってくれる蒼介さんだけれど、

蒼介さんの鋭さが今日は影を潜めている。


そんな蒼介さんを、

やるせない思いで見つめる。



「こんなことになって、
本当にごめんなさい」



「いやいや。
可愛いモモのためですから。」



そう言って蒼介さんに
ギュっと抱き寄せられた。


蒼介さんの香りに包まれて、
心が柔らかくほぐれていく。