鏡で前髪をもう一度確認して、
玄関に向かう。



「お兄ちゃん、
いってくるね……。」



そう言って
目の前に仁王立ちする
お兄ちゃんの脇を
くぐり抜ける。




「……スカート短すぎ。

セーラー服の胸元あきすぎっ。

全体的に露出しすぎだろっ!!!」




「お兄ちゃん?!

私のスカート、長いほうだよ?

お兄ちゃんが一緒にいる
女の人たちは

私より20センチは
スカート短いよね?!」




「よそはよそ!

モモはモモだろ!!」




「セーラー服は昔からこの形。

夏だから半袖っ。

私、露出なんて全然してないよ?」




「つうか、
なんで毎朝毎朝、
蒼介が迎えにきてんだよっ!」




「それはお兄ちゃんが
頼んだから…。」



「あーっ!くっそ。
マジ失敗したっ!

蒼介を信じた俺がバカだった。

ゔぁぁぁぁあーーー!」



金色の髪をかきむしりながら
お兄ちゃんが
再び目の前に立ちはだかった。