蒼介さんとつないでいた手を
慌てて離そうとすると
蒼介さんは、
『 大丈夫』とでも言うように
強く握り返してきた。



「モモ!蒼介くんも!」



嬉しそうに近づいてくるママの隣に
明らかに機嫌の悪いパパの顔があった。



「パ、パパ……」



「あら、蒼介くん、浴衣似合う。」


そう言ってニコニコと
笑っているママの隣で
私たちから目を逸らして
その場を離れようとしたパパを
蒼介さんが引き留めた。