番外編☆獣系男子×子羊ちゃん

早川と飯を食って、

また来週、図書館で会う約束をして

別れた。



早川、一緒に飯食いに行ったのに、

『緊張してなにも食べられない』って…


『一樹くんが食べるところを見てるから大丈夫!』って…


本気で言ってたよな。


ちょっと天然なところも、変わってない。



すると、家に着いたところで、

早川からメッセージが届いた。


『一樹くん、今日はありがちょ。また、か』



メッセージを途中送信して、

テンパってる早川が目に浮かんで
思わず吹き出した。



軽い足取りで家に入り、

リビングのドアを開けようとしたところで、
親父の声が聞こえてきて


動きを止めた。


また親父の愚痴に付き合わされたら
たまらねぇしな。


そう思い、中の様子を伺っていると、

ドアの向こうから親父の声が響く。



「一樹はまたバイトか?」



「今日は図書館に行くって
言ってたわよ」


いつもと変わらぬ
お袋の呑気な返事。



ヒヤヒヤしながら、
ふたりの話に耳を傾ける。


「あいつも少しは
受験を意識するようになったのか。」



「さぁ、それはどうなのかしら…。

それより…

そろそろ蒼介くんのこと、
認めてあげたら?」



お袋、余計なことを…

親父の機嫌がまた悪くなる。



「どうして認めなきゃならないんだ?」


ほらな、

親父の声が途端に鋭くなる。



「だって、あなた、
蒼介くんだったから
嫌だったんでしょう?

中学時代の素行がどうとかじゃなくて、

蒼介くんだから
反対したんでしょう?」



「なにを言ってるんだ」



ふたりの会話に耳をすます。



「モモを本当に取られちゃうって
怖くなったんじゃない?」



んん?

どういう意味だ?



「相手が誰だろうが関係ないだろ。

モモはまだ高校生になったばかりだ。

彼氏なんて早すぎる。」



親父の言う通りだ。

モモなんて、
まだまだ子どもだしな。


うんうん、と親父の言葉にうなづく。



「いつまでもそんなこと言ってたら
モモが可哀想よ?」



お袋はいつも、モモの味方をするから
タチが悪い。



「あなたが意地になったところで
物事はなるようにしかならないのよ。

ほら、あの、病院裏の公園のこと、
あなた覚えてる?」



病院裏の公園?


お袋の言葉にぼんやりと昔のことを
思い出す。