「あれ?蒼介くん、どうした?

一樹はバイトだよ?
行き違いになったかな?

もし用事がなかったら
上がっていくかい?

今日はモモの友達もくるみたいだから、
賑やかでいいね」



白いシャツをラフに着こなして、
大人びた笑顔を浮かべる蒼介さんを


パパが笑顔で迎えている。



そんなふたりに、

ちょっとだけホッとする。



そうだよね、
パパはいつだって優しいもん。


緊張する必要なんてないよね。




「あ、パパ、あの、ね、その…」



「どうした、モモ?」



しどろもどろの私に、
パパが優しく微笑む。


そんなパパの笑顔に
ホッと心が和んで、


背中を押されるようにして

蒼介さんを紹介する。




「今日はあの、
わたしの友達として、その…。」



ううっ……


そうは言っても、やっぱり恥ずかしいっ。


顔が赤くなっていくのが
自分でもわかる…



「…………?」



全く状況を理解していないパパは

固まった笑顔を

そのまま蒼介さんに向けている。