番外編☆獣系男子×子羊ちゃん

「一樹くん、
よく妹さんの話してたの。

可愛くて可愛くてしょうがないって
感じだったから
年の離れたすごく小さい妹さんが
いるんだと思ってたんだけど
高校生だったのね。」


そう言って栞さんが、
少しおかしそうに笑った。


それを聞いた蒼介さんが


「ま、小さいといえば小さいけどな。
なんてったって、マメモモだし。」


と言って、
意地悪くクククっと笑っている。


もう!


チラッと蒼介さんを睨む。


「あの、お兄ちゃんと連絡は?」


「今の涼野君の話を聞いたら
やっぱりもう無理なのかなって。

実は最近も何回か駅で見かけていて、
話しかけようと思ったんだけど、
すぐに、
目をそらされちゃって。」


「お兄ちゃんが?」


「もう2年以上も前のことだから
迷惑だろうし、
もしかしたら
私のこと覚えてないのかもしれないし、
これで諦めようと思います。」


こんなに綺麗で素敵な人を
お兄ちゃんが忘れるはずがない。


それに目も合わせないなんて
なんだかお兄ちゃんらしくない…




「あの、もし、良かったら 、
私、栞さんの連絡先、
預かってもいいですか?

それで、お兄ちゃんに渡してみます。
その先はどうなるかわからないけど…」



「モモちゃん、ありがとう。
でも、やれるだけのことは
やったって思えるから大丈夫。

涼野君にお願いしたことで
いろいろと心配をかけさせてしまって
本当にごめんなさい。」


そう言ってぺこりと頭を下げると
栞さんは少し淋しそうに笑って
帰っていった。