番外編☆獣系男子×子羊ちゃん

「そしたら最近、
あの、
モモちゃんと一緒にいるところを
何回か見かけて。」


………ん?


私とお兄ちゃんが一緒にいるところ?



「今までも女の子といるのは
見たことがあったけど、
それとはちょっと違うっていうか。


すごく仲が良さそうで
とっても優しい雰囲気で。

一樹くんがモモちゃんのこと
すごく大切にしてるのが
遠くから見ててもわかるくらいで。

あー、大切な彼女が
出来ちゃったんだなぁって。」



もしかすると、
お兄ちゃんに送り迎えしてもらってた
ときのこと…?



「そしたら、もうなんだか
今までにないくらいに
どうしようもなく哀しくなって。

こうなる前に
どうしてちゃんと
気持ち伝えなかったんだろうって。


落ち込むだけ落ち込んで
せめて、
この夏休みにちゃんと告白して
諦めようって…。


それで私も
前に進もうって思ったんです。」



「なんだろ、この話。
微妙にムカつくのは俺だけか?」


「蒼介さん、しぃっ!」



「でも、告白しようと思っても
一樹くん、
いつもたくさんのお友達に囲まれてて。

もう連絡先さえわからなくて。

そしたら……あの、
いつも一樹くんと一緒にいる人を
偶然、駅で見かけて。」