番外編☆獣系男子×子羊ちゃん

「でも、高校入学したころから
一樹くんと連絡が取れなくなって。

新しい生活、忙しいのかな…とか、

一樹くんかっこいいから、
もう、ほかの女の子と…とか

いろいろ思ってたら、
なかなか連絡できなくて。」


栞さんはそこまで言うと
視線を落とした。


高校に入学してすぐに、
お兄ちゃんは髪の毛を金色にして
学校にもあまり行かなくなった。


栞さんは、なにも知らないまま
お兄ちゃんからの連絡を
待っていたんだ…



「でも、どうしても会いたくて
入学してしばらくした頃、
一樹くんの学校に会いに行ったんです。

そしたら
一樹くん、すごくかわってて…。

髪の毛も金色になってて、
いつも派手なお友達に囲まれてて、
あんまり学校にも行ってないみたいで。

なにがあったかわからないけど
もう、すごく遠い人になっちゃって。」



「栞さん…」



「駅で何度か会ったことも
あるんですけど
目をそらされてしまって。

きっと、もう話しかけたりするの
迷惑なんだろうなって。


手の届かない人になっちゃったなって。

でも、ちゃんと振られたわけではないからずっと、忘れられなくて…。

気がついたら駅で一樹くんのことを
探す癖がついちゃったんです。

なんか、私、こわいですよね。」



栞さんは淋しそうにそう言って笑った。