「…………あの」


「なんか、不安に思ってることが
あるのか?」



両手で私の頬を包み
まっすぐに見つめる
蒼介さんの
その鋭い瞳から
目を逸らすことができない。



「あのね、その…この前、
西学の女の子と一緒にいるところを
駅で見かけて。

あの、なにか事情あるんだろうなって
わかってるの。

わかかってるのに、
それなのに
やっぱり少し気になって……」


普通に話してるつもりなのに、
蒼介さんのこと信じてるのに、
それなのに
指先の震えを
抑えることができない。



それを聞いた蒼介さんは
もう一度大きくため息をついた。



「モモ、お前、激しく誤解してる。
明日、そいつと待ち合わせしてるから
お前も一緒に来い」



「え?」




「いいから」