「だから、泊まれないかって、
聞いてんの。」



「それは…」



しばらく足元を見つめていた
蒼介さんが、

ゆっくりと顔をあげた。



「うそ。ごめん、無理だよな。
いきなり。

なに焦ってんだろうな」





切なげに私を見つめる蒼介さんに
胸が苦しくてたまらなくなる。



「いきなり外泊なんかさせたら、

一樹と佐伯先生に
八つ裂きにされるだろうから。

マジで2度とお前に
会わせてもらえなくなるだろうし…。」



「ごめんなさい…」




「……つうかさ、
いつになったらお前、

自由になるんだろうな。」


遠くを見つめながら、
蒼介さんが呟いた。



「二十歳になったら
好きにしていいって言われてる」



「モモが二十歳って……」



「あと…5年後くらい?」


それを聞いた蒼介さんは
頭を抱えて下を向いた。



「……マジか………死ぬ…。」




「が、頑張って、早く20歳になるね?」



そう伝えると、



蒼介さんが噴き出した。