「じゃあさ、
一樹がバイトでいないときを狙って
いくよ。

お前の親に挨拶できれば
いいわけだし。」



「う、うん。」



「俺さ、お前の親父には…
佐伯先生には
本当に世話になったんだよ。

妹の望が入院してた間だけじゃなくて
望が死んだあとも
すっごく
可愛がってもらった。

親父が2人いるみたいだった。

だから、今、こうやって
モモとつきあってること
報告しに行けるのも
けっこう嬉しいっつうか。

なんか、佐伯先生も
喜んでくれる気がすんだよな。」



「ん………でも、
なんか、緊張する………。」



「なんでお前が緊張すんだよ?
緊張するのは俺のほうだろ?
大丈夫だよ。」



そう言って蒼介さんは
私の頭をクシャクシャとなでながら
嬉しそうに微笑んでいるけれど……


でも、
蒼介さんが
うちに遊びに来るなんて
やっぱり
すごく、すごく
緊張するよ……