「…夏川美彩です。」

「三浦梓姫です。」

「2人とも可愛い名前だね。」


やっぱチャラいなー。


「よろしく。美彩。」


ードキッ


名前を呼ばれてまた心臓が高鳴る。


「美彩?もしかして、俺に惚れた?」


ボーっとしてたら急に言われた。


「!まさか!そんなことない!」


そんな訳ない。
もう2度と、恋なんかしないって決めたんだから。


「まぁ、2度と本気の恋はしねぇけど…。」


優君は、切なそうな表情をした。


「優!瑠菜がこの学校に転校してきた!」


あたしが優君の言葉と表情に不思議がっていると、あたしの後ろから、これまたチャラい男子が優に話かけた。


「はっ!?」


「俺と真聖(まさき)、職員室の前通ったんだけど、瑠菜と瑠菜の母さんがいて、瑠菜の母さんが短い間ですけど、よろしくお願いします。って言ってた!総合実践コースだって。」


「マジかよ・・・でも俺等進学だから離れてんじゃん。」


進学コースと総合実践コースは棟が違う。


「優、大丈夫か?」


「大丈夫だよ。あんな奴、忘れたし。」


優君はまた、切なそうな表情をする。



優君は、すごくチャラいし、女癖も悪そう。
でも、【最低な人】だって思えない。
きっと、優君も何かあったんだ。
あたしと同じようにー