「そうなんだよねー。」


いつも緊張するんだよ…


「でも1人だったらもっと緊張するし、不安だけど、美彩がいるから安心する。」


「梓姫…なんか、めっちゃ嬉しい!!」


「だって、親友だし?…。」

 
頬を赤く染めて、少しそっぽを向く梓姫。


梓姫、照れてる。


「ありがと♪あたしも梓姫がいてくれて本当に良かった!」


「…。」


「ちょっといつまで照れてんの?」


「う、うるさいなー。」


「でも、照れてる梓姫、レアだ。」


「もう、いじんないでよ。あー!キャラじゃない!」


「たまにはいいじゃん?」
 

「そのうち美彩のこといじるから。」
 

「えー。」


あたしはうなだれる。


「ってか着いたよ。」

 
「あっ本当だ。」
 

梓姫に言われるまで気付かなかった。


「じゃー入る?」 


「うん。」


深呼吸してから、2人でドアを開ける。
 

ーガラガラ


「ねぇ君。俺の彼女になんない?」


…開けた途端に何これ…


めっちゃチャラい。


あたし達がドアを開けた瞬間、あたしの目に入ったのは、
長身で、明るい茶髪。耳にはピアス、首にはネックレスをした男子。


「えー。どうしよっかなぁ。うち、彼氏いるんだよねぇ。」


女子もチャラい。


「別れれば良いじゃん。」


「まぁいっかぁ。付き合ってあげる。」


いいんだ…


「マジっ?彼氏とは別れてくれんの?」


「うん。」
 

「サンキュー☆」


でも、チャラいけどかっこいい…


って、あたしは何を言って!


「あっ君達も同クラ?俺、佐々木優。」


ードキッ


名前を聞いた瞬間、心臓が高鳴った。


何、今のー。