「優と奏太がいるのは、左側のA チーム。あっあそこにいるね。」


未来が指差した方向を見ると、優とそうくんがいた。


「あっ…。」


そうくんが優にボールをパスして、そのボールを優が蹴った。
ボールは、ゴールへと吸い込まれてゆく…


「すごい…。」


ゴールにボールが入った後の優の笑顔は優しくて…。


なぜか、胸がときめいた…。


「優と奏太のチームの勝ち!」


「優…かっこよかった…。」


これって、やっぱり…。


「優はね、他の誰よりもサッカーを愛してるんだ。」


「そうなんだ…。」


あたしは、今まで、気付いてるのに、気付いてないふりしてたんだ…。


「あっこのタオルとスポドリ、優に渡してあげて。」


「うん!」


すぐに優に駆け寄る。


「おっ!美彩!!」


「はい。タオルとスポドリ。」


「サンキュー☆…んー!やっぱサッカーした後のスポドリはうまい!」


「良かった。」


「未来と仲良くなった?」


「うん!なったよ!」


「良かったな。」 


「うん♪…ねぇ…優。」


「ん?」


「さっきのプレー…すごかったよ。素直に、かっこよかった。」


「!…当たり前。この俺様がプレーしてんだから。」


「俺様って(笑)」




ねぇ。涼、あたし、新しい恋を始めたい。


あたし、優が好き。


好きになっちゃった…。


優の優しい笑顔、優しい声、綺麗な瞳、サッカーしてる姿、俺様なところ、意地悪なところが好き。


"また失うのが怖い"ってまだ思ってる。


でもね、4年振りにこんな気持ちになったの。


あたし、また恋をするよ…。