「...獅季、」

私は車の横に立つ獅季に
手をふった。

「お疲れ」
獅季は私の手荷物を持つと
"乗りな"と呟いた。



「今日はバイト無いんでしょ?」
運転しながら、私の顔を覗きこむ。

「うん、ないよ?」

「じゃあ、デートしようか」

獅季は子供っぽく、ニカッと笑った。