どんだけ疑わないんだこのおっちゃん。
こんなこと言われたら余計に出て生きづらくなったじゃん。


ふと、女将さんを見ると。ここにいなさいと指示をくれた。流石の女将さんも頭が上がらないんだ。



しばらく時間が経ってから空気が変わった。

「まず、古高の事だ。幕府の犬共にまんまと食われおって」


「そうそう、暗殺計画が...」



ここでハッキリした。古高さんて人の事も、暗殺計画の事も今ハッキリ聴いた。
報告しないと。

「あのぅ」


「ほ?どうしたんじゃ?」


「お手洗いに行ってまいりますね」



疑われることもなくすんなりと座敷を後にして池田屋の外に出ようとした時だった。
腕を誰かに掴まれ、バランスをくずす。

「女中どの、何処へいく?」


(嘘っ。もしかして疑われてる!?)

「き、気分転換にと」

変な冷や汗が出てきた
とどうじに男の人の目が細まる。

「ハッ。嘘を吐くな。お前、幕府のものだろう?丁度いい人質にさせてもらうとしよう」

そう言い、男に両手を掴まれた。

「人質...ってふざけんじゃないわよ!」




ーードゴッ


ドサリ

「!!?」

あ、またやってしまった。やっぱり自己防衛だから仕方ないわよ。うん。

「って行かなきゃ。沖田さんたちに伝えるんだ!」

再度出口に向かって走りだす。

「逃すか!」




「えっ...」


さっき気絶していたはずの男が後ろから私をはおいぜめに出口寸前で止める。


「っ!離して!皆さん当たりです!池田屋です!!」




と叫んだ瞬間だった。


後ろから衝撃とともに痛みが走る。

私は悟った。斬られてしまったんだと.....。