「あんずちゃん!!.......高杉...晋作!?」



最初に言葉をはっしたのは沖田さん。

それに続き斉藤さんがこちらへ向ってくる。
そしてお色気男を蹴り飛ばすと、私の腕を
物凄い力で掴み引き寄せた。

(む。胸板...。いかん!。もしかして怒ってらっしゃいます?)



斉藤さんの顔を見たら、無言の時より
すごくヤバイオーラが出ていた。


(後で謝っとこう...)



「痛!オイコラなにすんだよ!」


お色気男はその容姿にも似合わない乱暴な言葉を放ち、斉藤さんの胸ぐらを掴む。


(あのー。サンドイッチされてます。)


その直後

「高杉、お前ワザワザ斬られに来たか?」

と土方さんがお色気男に睨みを効かせ、
腰の刀を今にも抜きそうだ。


お色気男は観念したように斎藤さんから離れ
息を吐いた。

「見つかったことは予想外。それにしても、こんな上玉、ここに置いとくのが勿体ない。なぁ、お前さんよ。俺と来ないかぃ?」



突然のことに目をぱちくりさせていた時だった。
お色気男が私の顎をすくい
耳元で「バーカ」
とつぶやかれ、頬にキスを落とされてしまった。

一生の不覚。

「じゃぁな!」


突然が突然過ぎて、固まっていた私含める4人をお色気男が脱兎の如く塀を乗り越えきえてしまったのだが。

土方さんと斉藤さんは追いかける気力も残っていないという顔でその場から動こうとしないし。沖田さんはどうしたことか、部屋の隅で膝かかえている。


私はと言いますとしばらくその場から動けなかった。