(不覚だな。また..聞えた。まさかな。)

そう、そのまさかの事態が知れ渡っているとは
思ってもみなかった。


葉月の頬をつつきながら総司がいつものあの目で問いかけてきた。




「ねー土方さん!屯所に連れて行きましょうよ!」




総司は俺がその目に弱いことを知っている。
毎回それで押され負けして、ぜんざいや団子を買わされてしまうのだ。

俺が、断れないことを..





「蝦夷らしい、一晩くらいなら近藤さんも許してくれるだろう」




(チッ、これでいいんだろ!俺は一足先に帰らせてもらう。....報告どうすっかな....。)