「また補欠だったね・・・」


私は英鈴中学3年生、神崎柚子。


サッカー部のマネージャーやってます。


「もういーよ。しょうがね、俺下手なんだな」


はき捨てるように言ったのは、樋口浩介。


樋口は毎朝誰よりも早く来てランニングをしている。それなのに、努力はなかなか報われず、万年補欠。


「ま、がんばってればいつか認めてもらえるからっ、あきらめないでねっ!」


私はいたたまれなくなり、樋口に声をかけた。



「いつかってもう引退だし・・・ 第一、あきらめてたら自習練なんてしねーよ」


樋口はいたずらっぽく笑って、舌を出した。