「何で先に家出るんだよ」
颯太は少しふてくされ気味に
唇を尖らせながら言う。
「別に....課題終わってねーしさ」
嘘だった。
課題なんてやりたくなきゃ
やらなくてもいい。
そんな真面目な男じゃないってことは
颯太も重々理解しているのに
こんな分かりきった嘘をつく俺は
やっぱ馬鹿だとおもう。
でも颯太は笑いながら
「課題なら俺が移させてやるから、な?
一人で行くより楽しく二人で行こ」
嘘だって颯太は分かってるのに
その嘘に乗ってくれる颯太は優しい。
「気が向いたら、な。」
ほんとは嬉しいくせに、
俺は素直じゃない。
顔をポリポリかきながら
そっぽを向く。
きっと俺の顔は赤い。
でも暑いと夏のせいにしてしまえば
不自然ではなくなるから。
そういう意味でも俺は
暑い暑いといつも夏になると
言っていた。

