「うるせぇな。オレは忙しいんだよ。」
はぁ〜?何をどう見たら忙しいわけッ?こいつバカじゃないの。
思いっきり怠そうに座ってんじゃないのよ!
「何が忙しいのかあたしには全く分からないんだけど?」
「そりゃそうだろ。そんな頭悪そうな顔してる奴に、オレの行動を理解出来るわけねぇよな」
「な…ッ!!」
あ〜!!!ムカツク〜!!!
何であたしはこんな奴にここまで言われなきゃいけないのッ!?
この金髪猿ッ!!
「おい猿!いい加減どこかに行ってくれない?!目障りッ!」
「それが客に向かって言う言葉かよ。バイトの躾がなってねぇな」
「何が客よ!この不良猿!それ以上馬鹿にすると警察呼ぶわよ!」
「分かったよ、消えればいいんだろ。うるせぇ声で怒鳴るんじゃねぇよ、ブス」
奴はそう言うと面倒臭そうに立ち上がり、くわえていた煙草をその場に投げ捨てた。
「おい、コラ!煙草捨ててくな〜!」
あたしはすぐに煙草をゴミ箱に捨てて奴の背中に向かって言ったけど、奴は振り向かず赤信号の横断歩道を歩いて行った。
「何なの?あいつのあの口の悪さは!しかも何時間もここで何してるわけ?」
こりゃ、また今日も眠れなさそうだわ。ストレスで。
今度会ったら本気で警察呼んでやるんだから!
あいつが消えて行った方向を睨めつけて店内に戻ろうとした時、視界の隅に何かが入った。
「ん?あいつ、何か落として行った」
あいつが座っていたところにあったのは紫色をした生徒手帳だった。
しかも、この辺じゃ有名な私立中学のものだった。
「まさかあいつの…?あいつがそんなに頭が良いようには見えないんだけど。
中、見ても平気だよね…?」
恐る恐る手帳を開くとそこには顔の整ったお人形みたいな少女の写真があった。


