『ありがとう』と言われる日まで。




思わず、見惚れてしまうそんな笑顔で。


また、なにか声をかけようと思った、その矢先。


次の授業の開始を告げるチャイムが鳴ってしまった。


そんな状態で声をかけられる訳もなく。


後ろ髪を引かれながらも自分の席へと戻った。



「榊原。高木と話したのか?!」



席につくと、山本が問いかけてきた。


それは、本当に驚いたような表情で。



「あー、うん。俺が一方的に声をかけたって感じだけど」



彼女、高木さんっていうのか…


思わぬところで名前を知れた。


名字だけど。



そんなことを思っていると、山本は驚くことを口にした。