『ありがとう』と言われる日まで。




今日、二度目となる、彼女の真っ直ぐな視線が俺に注がれる。


立っている俺。


座っている彼女。


自然と上目遣いとなる。


ドキリと一際心臓が鳴った。


な、なにか言わないと…!



「あ、えっと…」



吃る俺。


彼女が首を傾げる。


その姿さえ、様になっている。



なにか、なにか言わないと、このままじゃ、変な転校生という括りになってしまう。



「絵!絵、うまいな…」



しりすぼみになる声。


それでも、彼女には届いたらしく、俺の言葉を受けて自分が描いた絵を見る。


そして、再び俺に視線を戻すと、ニコリと微笑んだ。