私達の間では、前の学校で苛められていたんじゃ?とかって言う噂もあるけど… 私は違うと思うんだ。 …私は彼と一度だけ、二人だけで話した事がある。 屋上で寝ていた彼を見つけたのは、ただの偶然だった。 ゆっくりと目を開けた彼は… まだ夢の中のような目をして、私を抱きしめたのだ。 突然な展開にドキドキしていると、佐々木君は驚いたように飛び退いた。 『ごめん、寝ぼけてたみたい』 そう言った彼は、少し舌を出して笑った。