「…庇うのとか、超ムカつく。お前も苛められた…ん?」 <タッタッタッ> 遠くから近付いてくる足音に、莉子は言葉を止めた。 「ちょ、お前等…鬼来るから逃げろ」 私達の前に現れたのは、息を切らした佐々木君だった。 佐々木君は、この春に私達のクラスへ転校してきた人だ。 遠くから転校してきたらしくて、最初の頃は誰とも喋ろうとはしなかった。 彼が私達を見る目は、敵対心のある目。 滅多に笑わないし、放課後も一人でそそくさと帰る。