呑気に考え事をしていたのも束の間、どこからか話し声が近付いてきた。 鬼の話し声かどうかは分からないけど、とにかく私はその場を離れる事にした。 耳を澄ましながら、話し声とは逆の方へ逃げる。 …この先に階段があった筈だ。 このホテルには今日初めて来たけど事前に地図は貰っているから、だいたい頭の中には入っている。 …とりあえず、上の階か下の階に移動がしたい。 私は歩くスピードを速くした。