階段を駆け降りていく人や、駆け上っていく人。 …私は皆の気迫に負けて、階を移動しそこなった。 …そうして気が付けば、いつの間にか独りぼっちになっていた。 改めて心細くなったが、走るのは止めなかった。 …単独行動は寂しいけど、鬼ごっこにおいては好都合だ。 そのまま暫く走った後、私は立ち止まって壁に凭れ掛かった。 そして、腕時計を確認する。 そろそろ、私達が走りだしてから1分が経つ。