Candy House

「んっ、どうした?」

あたしの声に、安部さんが視線を向けた。

あたしたちの前にガヤガヤとやじ馬が集まっている。

「あそこって、不動産屋じゃねーか?」

上野さんがやじ馬を見ながら言った。

「何かあったんですかね?」

2人に聞いたあたしに、
「不動産屋のところにも、デブ猫が現れたんじゃねーか?」

安部さんが言った。

あたしたちはやじ馬の後ろに並んだ。

「あら、ノゾミちゃんじゃない」

最初にあたしたちに気づいたのは、前にいた麻子さんだった。

「と、上野と安部」

「俺らは呼び捨てかい!」

ちなみに2人の方が年上である。