恋連鎖




そしてあたしは、
あいつを思い出す。



去年の今頃、
あいつと出会ったんだなって。


そう、あたしには彼氏がいる。
前の学校で一緒だった。
1年生の時に同じクラス、
席が隣で。

名前は、古関友希(コセキ トモキ)
友希もサッカー部でエース。
透き通った瞳に落ち着く声。
ギュってしたときの安心感。
藤田くんと同じくらいの身長で
かっこよくてモテモテ。


告白は友希からだった。
出会って2カ月、
そんな時に告白された。


その時の友希の表情は
LINEだったからわかんないけど
きっと緊張してたんだろうなって。


「ふふふ」

「えっ、杏香どうしたのっ?」

「…へ?」

「ふふふって…」

「え!声にでてた!?」


うそ、そんなの…!
恥ずかしすぎる…!
まだ出会って数分しかたってないのに
絶対変人だって思われたよ…。


「崎村さん大丈夫?」

「へ、あ、だ、大丈夫!」

「ならいいんだけど」


フっと笑った藤田くんは、
どこか友希に似ていて。