もう、あの日から何日経っただろう?



 透がいないとこんなにも弱くなるなんて、思いもしなかった。


 本当に大切なものには、失ってからじゃないと気付けない……。

 誰かが言っていたこの言葉が、今では痛いほど分かる。




 神様っていうのは本当、意地悪で。

 あたしの願いはまるで聞こえていないかのように、知らんぷりを決め込んでいる。


 出会わせるだけ出会わせといて、後は放置だ。



 ……なんて、本当は分かってるんだ。


 あたしが動かなきゃ、何も変わらないってことくらい。

 神様だって、そんなに甘くはない。




「……でも、動けないや」

 透はきっともう、あたしの顔も見たくないはずだ。

 何したって、透にとっては迷惑なだけ。





「……あ、」

 そこまで思ってふと見た先に、いつもの寝癖があった。


 ……センセイ、だ。



 そういえば最近、とっても不思議なことがある。



 センセイといても、辛いと思わなくなってしまったのだ。