~叶恋side~





「……じゃあな」


 そう言い残し、透は去って行った。

 あたしはそれでも、動けなかった。





 透はやっぱり、許してくれなかった。

 透のこと、それだけ傷つけてしまったんだよね、あたし。



「……もう、戻れないんだ」


 〝仲間〟だなんて。

 あたしが勝手に思っていただけだった。


 虫が良すぎたのかな、「仲直りしたい」だなんて。




「………透っ」


 やっぱり、辛いよ。

 透と、一緒にいたいよ。


 また、笑い合いたいよ。


 透と過ごしたあの日々が大切だって思ってたのは、あたしだけだったのかな?

 本当に、透はなんとも思ってなかったのかな?


 でも、これが現実。


 ねえ、透。

 今まで突きつけられたどんな現実よりも、痛く感じるよ。




 あたしはそっと、池を見つめた。




 ねえ、神様。

 もしいるのならば、透ともう一度……


「一緒にいさせて、ください」



 だけど、そんな声ももう、届かない・・・